どうもリハペンです!
突然ですが、学生のみなさん
「実習」って不安ですよね??
特に今1年生の方やこれから学校に通おうと思っている方
・初めての施設
・初めてのバイザー
・初めての患者さんとの対話
などなど、不安に思う要素は上げたらきりがありません!
また、2年生以上の方もこれから先の実習に対して不安がある方も多いでしょう
確かに実習は、セラピストを目指す上で国家試験以上に難関だといっても過言ではありません
しかし、実習の内容を知り、事前に準備をしっかりとしておけばその不安をぐっと減らすことができるはずです
そこで今回は、各実習の内容とともに、実習ごとに準備したほうが良いことや心構えについて
解説していきたいと思います!
前提として、実習は楽になってきている
最初にこんなことを書くと誤解されそうですが、実習の方針というのはここ数年くらいでどんどん変わってきています
具体的に書くと
・レポートの廃止
・自宅での強制的な課題の廃止
・実習に関することはなるべく業務時間内に終わらせる
などです
特に「レポートの廃止」は学生からしたら実習の負担が半減したといっても良いのではないでしょうか?
既に現役で働いているセラピストからすると「マジで!? 超楽じゃん!!」と思う方は多いと思います
中には「こんな実習で成長できるの?」という意見もあるかと思いますが、それは今の学生に行っても仕方のないことです
しかし、学生のみなさんに知っていただきたいのは
本当に実習は楽になってきているということです
少し前まで・・・ちょうど僕が学生だった頃くらいまででしょうか
実習と言えば
・自宅に帰って風呂、ご飯の時間以外はずっとレポート作成
・睡眠時間2~3時間は当たり前
・苦労して書いたレポートを全部読まずに否定される
・レポートだけでなく日々調べものなどの課題を出される
・ひどいバイザーになると胸ぐら掴んで脅される
などなど、こんなことが普通にありました
僕も最終の実習では50ページ以上あるレポートを毎日訂正して全ページ印刷し、途中でプリンターが壊れて発狂したこともあります
冗談に聞こえるかもしれませんが、それくらい実習というのは精神的にも肉体的にも辛いものだったのです
実際、僕の同級生にもノイローゼになって自宅から出れなくなってしまった子もいました
しかし、ご安心ください!
先ほども説明したように、どんどん実習は負担の少ないものに変わってきています
なので学生の皆さんは安心して、施設での実習時間のみに集中しましょう!
ここからは、実習の種類ごとに紹介していきます
(ちなみに実習の時期やスケジュールについては、僕が通っていた3年制の専門学校を基準にしています)
見学実習
この実習は基本的に1年生の時に行い、期間は約1~2週間程度です
・内容
名前の通り「見学」が主なので、基本的に患者さんに直接触って評価や治療をすることはありません
しかしバイザーによっては、触診の勉強や移乗の練習をさせてくれる場合もありますので、心の準備はしておきましょう
・目的
個人的に見学実習の目的は「医療現場の雰囲気」と「実習への取り組み方」を知る場だと思っています
実際、1週間やそこらで得られる知識などたかが知れていますし、受け入れる施設側も見学実習の学生にめちゃくちゃ指導をしてあげよう、なんてサラサラ思っていません
なので見学実習の時は無理に難しいことを理解しようとせず、医療の現場がどういうものなのか
実際にセラピストと患者さんがどのように接しているのかなど
普段授業では知ることのできない現場の実態を知ることを目的としましょう
・準備すること
基本的に、この段階の学生には医学的な知識などほとんどない場合が多いです
なので、この実習に向けて特別勉強をしていく必要ないでしょう
ただ、最低限実習先がどういった施設なのかを確認しましょう
病院なのか老健のような介護保険施設なのか
病院の中でも、急性期なのか、回復期なのかでも実習で得られる内容は全然違ってきます
注意すべきこと
僕が思う、見学実習で注意すべきことは主に三つです
それは
・見学の仕方を学ぶこと
・メモをとること
・質問をすること
〈見学の仕方を学ぶ〉
初めての実習の場合、一番困るのが見学の仕方です
そして、それ以降の実習でも重要になってきます
どの位置で見学すればよいのか、立っているのか座っているのか
これは、実習先ごとに違うポイントなので、初日に必ずバイザーに確認するようにしましょう
忙しい急性期病院のリハ室なのでは、立っている場所が悪いだけでけっこう怒られてしまうこともあるので注意が必要です
〈メモをとる〉
メモをとるのも、すべての実習で心がけるポイントです
バイザーは意外と患者さんの治療中も学生のことを見ています
さらに言うと、患者さんも学生のことをすごく見ています
なので中には
「あの子、ずーっと見てるだけだけど大丈夫なの?」
「なんだか、ずっと眠そうにしてるね」
と言われてしまうこともあります
自分は真剣に見ているつもりでも、バイザーにそう思われるのは損です
なので、実習中は常にメモ帳を携帯し、なるべく気になったことをメモするようにしましょう
ちなみに、メモの内容としては
「この患者さんの疾患は何だろう」
「あの治療はなにしてるんだろう」
のように、後で質問したいことを書いておくと便利です
〈質問をする〉
質問をするのもとても大切です
なぜなら、質問をするには「考えること」が必要だからです
ただぼーっとバイザーの治療を見ているだけでは、質問など浮かんできません
そして、バイザーの先生方はそのことをちゃんと知っています
つまり、質問ができるかどうかは、そのまま「やる気があるかどうか」の判断に繋がってしまうのです
学生である以上、「質問がない」なんてことはありえません
親切なバイザーの場合、治療の合間に「何か質問ある?」と聞いてくれる場合があります
そのときすぐに何かきけるように、常に疑問を持っておくようにしましょう
ちなみに、基本的にはなにも言ってくれないバイザーの方が多いので、質問のタイミングを見計らって自分から積極的に質問することが大切です
けれど、ひとつ注意していただきたいのが
何でもかんでも聞けばいい というものではありません
いくら学生とはいえ、あまりにも基本的なことや、調べればすぐにわかることばかり質問しているとうっとうしがられます
さらにいえば、質問の仕方ひとつでも印象は大分違います
例えばバイザーが股関節のストレッチをしていたとしましょう。その時に
「あれは何筋のストレッチをしていたんですか?」
と聞くのと
「あれは大殿筋のストレッチをしていたんですか?」
と聞くのとでは聞かれる側の印象はかなり変わってきます
要は「自分は考えて見ています」というアピールをできることが大切です
評価実習
学校にもよりますが、期間は約1ヵ月程度です。
・内容
この実習からは、いよいよ患者さんに実際に触れさせてもらい、さまざまな評価をします
そして、個人的には全ての次週の中でも一番重要な実習だと思っています
なぜなら
正確な評価ができなけれ正確な治療はできないからです
これはおそらく臨床に出ているセラピストなら皆感じていることだと思います
正確な評価ができなければ正確な問題点がわからないわけですから、まったく見当違いの治療プログラムを建ててしまう可能性があります
その治療プログラムに沿って治療をしても、当然患者さんは良くなりません
なので、学生の内から評価の大切さを理解しておくことが必要です
・準備すること
疾患に関しての知識はまだほとんどないと思いますが、最低限骨格や筋、内臓の解剖学は理解しておいたほうが良いです
また、内科についてはザックリとでもかく臓器の働きなどを理解しておくと疾患の理解がしやすくなります
この時期になると、おそらく授業で整形や中枢を問わず、ひととおりの評価方法は学んでいると思います
なので見学実習の時と同じように実習先の特徴をよく調べ、必要になりそうな評価をおさらいしておきましょう
とはいえ、病院にしろ介護保険の施設にしろ、よほど専門的な施設でない限りさまざな疾患の患者さんがいます
なので、やはりひととおりの検査の対象や概要は理解しておき、実際に患者さんの情報を得られた段階でもう一度詳しく復習する、といった方法が良いと思います
大切なのは、なぜその評価を行うのか
その評価で異常があった場合何が言えるのか
を理解しておくことです
とはいえ、ROM(関節の可動域)とMMT(筋力の測定)はどんな実習先でも必ずやることになるので、学校でしっかり練習をしておきましょう
・注意すべきこと
評価実習で気を付けなければいけないことは、「いかに患者さんへの負担を減らすか」です
例えばROMやMMTを図るにしても、別の部位を測定するたびに何度も何度も姿勢を変えていては患者さんに負担がかかります
さらに評価時間が長くなることにも繋がり、患者さんによってはイライラさせてしまうこともあります
学生の時は何とかうまく評価をすることに必死で患者さんのことをないがしろにしてしまうことがある為、常に患者さんの表情を気にしたり、声をかけながら評価をするようにしましょう
とはいえ、もちろん学生なのですから評価に時間がかかってしまうのは仕方のないことです
もし時間がなくて予定の評価ができなかった場合は、バイザーに説明し、別の機会を作ってもらうなどの工夫をしましょう
時間が無いからといって焦って正確な評価をできない方が実習の価値が下がりますし、何より評価をさせてもらっている患者さんに対しても失礼ですからね
ちなみに評価の時間を少しでも短縮できるように、事前に評価結果を書ける用紙などを作っておくのも便利です
臨床実習(評価実習)
いよいよ最後の実習です
期間は最も長く約2ヵ月程度を2施設になります(期間や回数は学校により若干異なります)
・内容
評価実習では実際に患者さんを評価しそこから何が言えるのかを学びました
この臨床実習では、評価した結果から患者さんの問題点を抽出し、実際に治療プログラムを立案し、治療を行います
つまり、セラピストとしての一連の業務を行う実習といえます
・準備すること
これに関しては、評価実習の時とそれほど違いはありません
しかし、自分の知識や評価の技術はその頃より成長しているはずですから、より評価の方法や意味について理解を深めておきましょう
・注意すべきこと
多くの学生がつまずくのは、患者さんの「ゴール設定」です
そしてこれは、臨床に出てからもずっとついて回る難問でもあります
例えば、あなたが今からランニングをするように指示されたとしましょう
しかし、どこまでか? 何分か?
それらを何も伝えられないままだったとしたら、頑張って走れますか?
これと同じように、リハビリにもゴールが必要です
なぜなら、リハビリとは「手段」であって「目的」ではないからです
良くあるのが、患者さんに「なにか目標はありますか?」と聞くと
「元気になりたい」とか「良くなりたい」と漠然とした答えが返ってくることがあります
その時、何を持って「元気」や「良くなった」とするのかを考えなければなりません
そしてそれを引き出すのも、セラピストの仕事です
「元気になって料理がしたい」という言葉まで引き出せれば、「一人で調理ができる」をリハビリのゴールとして設定することができます
そしてゴールがわかれば、それを達成するために必要な治療が見えてきます
学生の内からこれを知っているのと知らないのでは、臨床に出てから大きな違いが出てくるでしょう
さらに、臨床実習で注意したいことはもうひとつあります
臨床実習では基本的に1人の患者さんを対象症例として担当し、実習期間のほとんどをかけてその患者さんを診ていきます
言い方を変えれば「2ヵ月近く1人の患者さんだけに集中できる」のです
こんなことができるのは、学生の内だけです
臨床に出れば、たとえ1年目だとしても複数の患者さんを同時期に見る必要がありますし、忙しいクリニックの外来などになれば、一人で100人近くの患者さんを担当することもあります
つまり、常に一人のことだけを考えている、というわけにはいかなくなります
この臨床実習というのはセラピスト人生の中で唯一、1対1で患者さんと長時間向き合える期間といっても過言ではありません
なので、担当の患者さんには最大限の感謝と敬意を払って、自分の持てる最大限の努力で答えましょう
少し感情論になってしまいましたが、この気持ちがあればおのずと真剣に評価や治療について真剣に考えるようになります
そして、真剣に考えた結果わからないのであれば、それはバイザーに伝わり協力してくれるはずです
見学実習と評価実習で学んだことの一つ一つをさらに丁寧に実践していくことが、臨床実習では大切なのです
学生の強み
少し精神論になりますが実習を前向きに行うための考え方をお伝えします
それは
無責任が許されるのは学生の内だけ
ということです
この無責任というのは、決して患者さんをないがしろにしていいということではありません
資格をとった瞬間から、誰もがセラピストとなり、患者さんから「先生」といわれる立場になります
それは1年目だろうが10年目だろうが、患者さんからすれば関係ありません
担当した患者さんの責任は全て担当したあなたが追わなければならないのです
しかし学生の内だけは違います
バイザーという監督役がいて、その監督下で失敗してしまってもバイザーが責任をとってくれます
もちろん、だからといって適当にやっていいということではもちろんありませんが、真剣にやってしまった結果の失敗はバイザーが補ってくれます
つまり、「無責任に挑戦する権利」が学生にはあるのです
なので
まだ学生で知識が無いからこの評価はやらないでおこう
ではなく
学生だからこそめったにない評価をやるチャンス! だと思ってください
その結果バイザーにめんどくさがられたら、それは良いバイザーとは言えません
正直、学生の頃の僕はこの気持ちが欠けていました
とてももったいない時間の使い方をしたと後悔していま
なので学生のみなさん、どんどんこの「無責任に挑戦する権利」を振りかざしてください
施設・バイザーへの感謝も忘れずに
最後に、もう一つ大切なことです
実習では「患者さんを第一に考える」ということをお伝えしました
それはもちろんそうなのですが、その次には
実習施設やバイザーに感謝することも忘れないようにしましょう
こんな言い方は良くないかもしれませんが、はっきり言って働いているセラピストからしたら学生は「邪魔」です・・・(オイ)
僕自身学生の頃はそんなこと思ってもいませんでしたが、臨床に出て学生を受け入れる側になってその大変さがわかりました
自分の治療をずっとみられているのは緊張しますし、終業後や昼休憩の時間を削って指導やフィードバックをしなければなりません
にも関わらず実習態度が不真面目だったり、居眠りなんてしようものならやはりイライラします
もちろん中には意地の悪いバイザーがいるのも事実ですし、学生側がストレスが溜まるのもわかります
しかし、貴重な時間を削って指導をしてもらっているんだという気持ちは忘れないようにしましょう
まとめ
いかがでしたか?
今回は各次週の内容と、その注意点について解説しました
ここまでをまとめると
・見学実習は現場の雰囲気と実習の姿勢を学ぶ
・評価実習はできるだけ「患者さんの負担を少なく正確な評価」を
・臨床実習は1対1で患者さんと向き合える貴重な時間
・学生だけに許された「無責任に挑戦する権利」を振りかざせ!
・実習施設やバイザーへの感謝も忘れずに
こんな感じですね
いろいろ書きましたが、実習はセラピストになるうえで国家試験よりも大切で困難な課題です
しかし、実習に真剣に取り組むことができれば、臨床に出てからの仕事で大きなアドバンテージになります
この記事を参考にしていただき、今後実習を控えている学生の助けになれば幸いです

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
次回の更新をお楽しみに!